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東証1部 上場区分の見直し

東京証券取引所では、上場区分を巡る議論が続いています。焦点は2,100社を超える東証1部の再編です。


改革案の昇格条件である時価総額500億円以上の基準を満たすのは1,043社。約半分程度となっています。時価総額が小さい企業が多い原因の一つが「内部昇格」です。


内部昇格とは、2部やマザーズ経由で1部市場に上場することです。1部企業の増加ペースが高まった2011年以降では内部昇格が7割を超えます。


1部直接上場とジャスダック経由の場合、時価総額は250億円必要になります。一方、2部・マザーズ経由では40億円と大幅にハードルが下がります。


日本では、知名度などのために東証1部を目指す企業が多く、「上場ゴール」といわれています。


東証1部に昇格になれば、TOPIXなどを運用するインデックスファンドからの買いや、ETF(上場投資信託)を通じて日銀の買いが期待できるので、企業の実態以上に株価が買われるという弊害もあります。


2部やマザーズは「1部へのステップアップ市場」としての位置づけで、1部に移っていくことは悪いことではありません。ただし、東証1部企業に見合った企業価値(業績や時価総額)を持つことが大切です。


東証1部の時価総額から算出された株価指数はTOPIXです。同じく米国の時価総額の代表的な株価指数はS&P500です。銘柄や市場の規模が違うものの、S&P500種採用基準は


  • 時価総額 61億ドル以上


  • 流動性  各半期における売買高が最低25万株


  • 財務健全性 直近の四半期および直近の連続四半期で利益が黒字であること


などの厳しい条件があります。


1部上場の企業には、自らの企業価値を高める努力が、一層求められることになるでしょう。


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