株式無人市場4つのプレーヤーとは
2045年にAI(人口知能)がヒトの能力を超えるシンギュラリティー(技術的特異点)が到来すると予測されています。その波がいち早く押し寄せているのが金融・証券市場です。古くは米ソ冷戦時代終焉とともに、NASAなど多くの科学者がウオール街に流れ込み、金融工学の基礎を築きました。
当時は「ロケットサイエンティスト」と呼ばれました。現在では「クオンツ」といいますが、IT(情報技術)やAI(人工知能)の発展とともに、ますます注目されるようになってきているのです。
かつての金融機関のトレーディングルームといえば、大勢のトレーダーが電話でやりとりをしていたものですが、現在では数人のプログラマーがシステムを監視しているだけです。ヒトが指図せずに機械的に運用されている資金は2017年に約17兆ドル(約1,800兆円)になり、世界の運用総額の約21%を占めています。
このような「無人市場」は以下の4つに分類されます。
①トレンドフォロワー
ヘッジファンドの一種であるCTA(商品投資顧問)がメインプレイヤーです。株価の方向性を追随します。値動きを大きくする要因といわれています。世界中の市場で取引を行い、すべてシステム化されています。
②トレンドメーカー
ツイッターなど新しいデータをAI(人口知能)で分析し、株価の方向性を捉える新しい手法です。
③マーケットメーカー
高速取引業者(HFT)が行う手法で、売気配と買気配を提示し、流動性を供給しています。
④インデックス投資家
ETF(上場投資信託)、インデックスファンドなど株価指数に連動する運用手法です。インデックス運用もシステム化されています。無人市場最大の投資主体です。
②トレンドメーカー以外は昔からある投資手法です。ただし、システムの高速化や自動化が進み、人手がいらなくなってきているのは事実です。
現在は世界の運用総額の21%ということですが、今後はもっと比率が上がり続けるでしょう。いずれは無人市場のプレーヤーが50%を超える日も来ると思います。その時にトレード戦略はどう変わっていくのか。また、フラッシュクラッシュなどの急落がもっと頻繁に起こるかもしれません。市場の変化に対応できるようにしておきたいものです。
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