投機と投資
資産運用は、よく投機と投資に区別されますよね。
私のようなディーラーやデイトレーダー、後ヘッジファンドなど比較的短期で売買する人は投機家と言われることが多いですね。そして、投資信託や年金、長期投資をする人は投資といわれ、どちらかというと投資が良くて、投機は悪いみたいにとらえられるように感じます。でも、本当にそうなんでしょうか。特に、短期は投機で悪く、投資は長期で良いというのはどうなんでしょう。”予測”という観点から考えると、短期の方が分があるように思います。どう考えても1年後のことより、1分後のほうがよくわかりますよね。で、時間軸を決めるのは、資金量の影響が大きいと思います。例えば、1000万円運用している個人投資家と2000億運用している機関投資家のファンドマネージャーではまったく考え方と相場の見方が異なるということです。値幅は時間に比例します。予測にも関係することですが、例えば明日、日経平均が2万円になっていることは絶対にありませんが、1年後にはなっているかもしれません。ですから、値幅を取ろうとすれば、長期で運用を考えざるを得なくなります。後、2000億も運用しているファンドマネージャーが、大量の玉で日計りを繰り返し、月間1億稼いでも、年12億しか稼げないわけで、年利0.6%しか稼げません。それでは運用者として失格ですね。一方、1000万円運用している個人投資家が月間100万円稼げば年1200万円で、なんと120%の運用利回りになります!で、最初の予測という観点から考えると短期の方が絶対に分があるので、私のような小口ディーラーや個人の方は短期投資のほうが向いているのではないかと考えてます。(もちろんそう考えているからディーラーをやっているのですが)。で、資金が巨大(数億~数十億)になればだんだん、日計りから2~3週間、1月と期間が延びてくるのではないでしょうか。たしかに大きく勝つには時間が大切です。しかしそれに比例して相場を予測することは非常に難しくなります。ですから、より短期に勝負したほうが勝率はあがるのではないかと個人的には考えています。では、投資は個人投資家には無理なんでしょうか。世界一の”投資家”はウォーレン・バフェット氏であることは間違いないでしょう。でも彼は本当に相場の世界でいう”投資家”なのでしょうか。私はバフェット氏を尊敬し、何冊も氏に関する本を読みましたが、氏はマクロ経済の動きやNYダウなどは見ませんし、いわゆる株価もほとんど気にしていません。つまり、”株”を買うのではなく”企業”を買うのです。ですから、一度買った銘柄は半永久的に持ち続けるのです。これはいわゆる”長期投資”とはまた違うと思います。ファンダメンタルを分析したりテクニカル分析をして株価が妥当かどうかをみているのではなく、その企業の経営者はしっかりしているか、そしてその会社のことを自分は本当に理解することができるのか、そういった点から投資をするそうです。ですから、私は、バフェット氏のような投資は非常にすぐれた運用方法だと思います。結論として私は相場で勝つにはより短期売買の方が優れていると考えていますが、相場で稼いだお金は割安に放置されている株を買って、20年~30年持ち続ける、そういった資産運用が理想だと考えています。特に現在のような不透明な時代には、バフェット流の長期投資を始めるにはいい機会ではないでしょうか。
« オプション初級講座② | トップページ | 5/23(月) »
「相場雑感」カテゴリの記事
- GPIF 2018年10~12月期 損失14兆円過去最大(2019.01.17)
- 株式無人市場4つのプレーヤーとは(2019.01.16)
- 年初からフラッシュクラッシュ(2019.01.03)
- 3/9(火)前場 日経225先物10560円(2010.03.09)
- オプション権利行使価格(2009.05.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント